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イナゴ天井

イナゴ天井とは・・・稲子天井と書きます。
竿縁天井板工事(合板加工製天井板の場合)板の重ねに隙間が空かない様に用いる裏面の細工の事。(重ねの上側を蟻や、メチを貼って差し込むようにして止める工法)
吉永で古民家のリフォームをしています。
DKの解体で現れたのは、藁葺き屋根特有のヤマトと、チョウナ掛けの美しい松の梁です。
中でも、初めて見たのがこの稲子天井の細工
合シャクリにした松の天井板の裏側に、合わせた部分が離れて隙間が開かないように竹の一番硬い皮に近い部分を三角な矢に削って射し込んであります。竹は勿論一番切り時のいい時に伐って干したものでしょう。虫ひとつ入っていません。この竹の矢がイナゴ(稲子)に似ているからでしょうか?
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こうする事で、天井裏のヤマトの土や藁の埃が隙間から落ちないようにしてあります。
鋸・鑿・鉋そして墨筆これだけの仕事で手間を惜しまず可能な限りの細工をする昔の大工さんは本当に凄かったのですね。新建材でできた敷目天井だの竿縁天井だのと、平気で仕上げに使っていても、その語源を突き詰めると、簡単に仕様書に使うことすら恥ずかしくなります。
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by nagaikensetsu | 2013-02-16 09:57 | 建築現場
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